この事例の依頼主
男性
相談前の状況
婚姻:平成5年,別居開始:平成15年(別居期間10年),子ども一人(20歳)ご相談者様には配偶者以外に交際女性があり,その女性との間でも子ども(未成年者)がいました。すでに新しい家族があるので,子ども(未成年者)のためにも,配偶者との関係を離婚という形できっちりさせたいとのことでした。
解決への流れ
配偶者は離婚を拒み,調停は成立せず,裁判になりました。裁判では,有責配偶者であること自体も争いましたが,仮に有責配偶者であったとしても,長期間の別居という婚姻破綻の事実から離婚請求は認められるべきと主張しました。その結果,判決理由では有責配偶者とされてしまいましたが,離婚請求自体は認められました。
夫婦関係破綻の原因を作ってしまった側(有責配偶者)であっても,長期間の別居を理由に離婚請求が認められる場合があります。すなわち,最高裁判所昭和62年9月2日判決は,有責配偶者からの離婚請求であっても,「夫婦の別居が当事者の年齢及び同居期間と対比して相当の長期間に及び(①),その間に未成熟子がいない場合(②)には、相手方配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り(③),有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできない」としました。ご相談者様のように,長期間別居している場合には,新しい家庭を作って生活を送られている方も少なくありません。上記三要件を主張・立証することで離婚請求が認められる場合がありますので,自らに夫婦関係破綻の責任があるからと言って,離婚を諦める必要はないということになります。